あんちょこちゃん

あんちょこ

自分のために書き留めておく場所

黒地白文字とバトる

 実家を出て、一人暮らしをする恋人のもとへ転がり込んで、はや半年。大事に抱えて持ってきたノートパソコンを開く機会がなかったので、新年を迎えた晴れやかな気持ちでパソコンを立ち上げようと電源を入れた。

 

 東芝dynabookロゴ。黒いままの画面に次に浮かんだのは白い英文。学生時代にずっと使っていたこのノートパソコンで、幾度となく見たことあるやつではないか。

 しばらく待ってみたが、黒地に白文字からなかなか進まない。学生のときはエンターキーを押せば解決していた。ならばとエンターキーを押してみるも変わらず。なんやねん。新年早々、出鼻をくじかれた。

 何度目かの再起動を試してふてくされてスマホをいじっていたら画面が新しい様相を見せた。「スタートアップ修復」ダイアログ。「コンピューターを開始できませんでした」「スタートアップ修復はシステムの問題を確認しています……」なんぞや。得体の知れない表示に怖くなり、その恐怖に抗えずキャンセルボタンを選択した。すると勝手に再起動され、黒地に白文字という悪魔の画面が再登場した。久々にパソコンでも触るかな~昔のブログ残っているかな~わくわくという気持ちになっていただけあって、この面倒くさいパソコンの機嫌に振り回される絶望は小さくなかった。

 手元のスマホで調べてみたところによると、スタートアップ修復とは、Windows7に搭載されている自動修復機能のようだ。パソコン本体になにかしら異常があったとき、原因を探して直してくれる良い子のようである。つまりキャンセルしてはいけなかったのだ。どれだけ恐ろしくとも勇気を出して、たとえ修復に時間がかかろうとも辛抱強く待ってあげるべきだったのだ。絶望のなか複数回の再起動と黒地白文字画面と格闘。成果は得られない。

 

 しかし、その後は解決するまであっという間であった。

  ちなみに黒地白文字画面は、エラーの種類によって文字列が異なる。わたしのパソコンは有線LANケーブルが見つからないから起動できないよみたいな文句だったようだ。パソコンを再起動して、dynabookロゴが表示されている間にF2キーを押すと、設定画面に移行できるとおばあちゃんの知恵袋が教えてくれたのでそのとおりにした。そして至極あっさりとスタートアップ修復ダイアログが出現した。

 しばらく待った。体感15分程度で、自動修復機能はその役割を果たしてくれた。黒地白文字再起動との格闘が体感30分くらいのこいくちしょうゆだったため、解決への糸口が見つかってから解決に至るまではあっさり薄口程度であった。優しい口あたりからくる安心感とちょっとの物足りなさといったところだ。ラーメンを食べる習慣がないため合っているかはわからない。

 

 ちなみに昔のブログは、はてなさんではないところで作っていた。撮り溜めた写真とその日のできごとを綴った日記であった。

 忘れた頃に今回のような事件が起こると怖いので、そんな未来の自分のためにこのブログを残しておこうと思う。いわばあんちょこである。あんちょこという単語の発音のなんとかわいらしいこと。